『琥珀』浅田次郎ドラマスペシャルの感想・評価

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地上波・映画・アマゾンプライム(有料)で見た作品を紹介していきます
*ほとんどレンタルは利用しません
今回は、アマゾンで視聴しました。

作品紹介


原作は『鉄道員』の浅田次郎、西田敏行×寺尾聰の大御所2人が初共演
本・役者・演出の完成度が凄いドラマ

あらすじ

定年間近の刑事・米田勝己(西田敏行)は偶然手にした小冊子に掲載された『琥珀』という名の喫茶店の記事を見つける。
米田は急遽有休を取り、新幹線で富山県魚津にある『琥珀』へ向かう。
米田は25年前に起きた未解決事件「吉祥寺・放火殺人事件」の資料を持っていた。

『琥珀』のマスター・荒井敏男(寺尾聰)、店の常連客・平井幸子(鈴木京香)
にここへ来た理由を尋ねられた米田は、かつて訪れた銀座の喫茶店『白馬』と、荒井に接点があることを冊子で知り、懐かしくなって来たと答えた。

実は25年前、妻を殺害してしまった荒井。
それを追う米田。
2人の間に友情が芽生えてしまったのだが…。

キャスト

原作:浅田次郎作『夕映え天使』(新潮文庫)収録「琥珀」。
脚本:岡田惠和
監督:雨宮望

出演:西田敏行/鈴木京香/川島海荷/工藤阿須加/春風亭昇太/寺尾聰

感想

大きな手柄を上げられないまま退職となることを悔しく思っている刑事・米田(西田敏行)
定年が間近に「ようやく手柄を上げられる!」と興奮する

しかし、お互いを知るにつれ捕まえるか? 逃すか?で心が揺れ始める
西田の選択肢が物語のクライマックスになる

原作は、浅田次郎なので文句のつけようがありません
それを演じる役者勢がすごい
刑事が西田敏行、犯人役が寺尾聡、それを繋ぐ鈴木京香
ほんの4日間に3人の人生が凝縮している

ロケーション的には観光地がほんの少し映るくらいで、ほとんどはコーヒー店での撮影となる
しかし、これがまたいい
3人の演技を集中して観ていられる

以下、ネタバレを多く含みます
私はこのように評価しました
 4:面白いし満足度が高い作品。他人に是非勧めたい。何度も見れる

私の視聴結果の基準を指標化
評価を数値化、指標化すること 面白さの指標化が出来るって良い事だなと常々思うんですけど、今まで特にそういう評価基準みたいなのを記事に設けて無くて、今更この素晴らしいシステムを導入するのもどうかとしばらく悩んでいたんですけど、あった方が絶対...

【ネタバレ】誰もが抱える闇と現実

刑事ドラマというよりも、ヒューマンドラマです
演者によってゆっくり時間が流れていきます
しゃべらなくても引き込まれてしまう作品でした
時間の流れが次第に濃密になっていく

メイン3人の誰かに必ず気持ちがシンクロするのではないだろうか?

3人それぞれの思いと現実の違和感を
3人それぞれに関わる人の思いと現実を
3人それぞれが互いに思う気持ちを
後悔や苦悩、希望と幸福、落胆と安堵など、人の持つ様々な感情を織り交ぜながら物語は終盤を迎えます

葛藤の中、罪の告白を終え
喫茶店のマスターは饒舌になる
今までは寡黙で抑えていたものが、一気に流れていく感じだ

一方、刑事の西田は
最初の無口、口下手なキャラクターが途中から饒舌、コミカルチックになっていく
これは、他の二人に心を開いていったとの解釈でいいのだろう

鈴木京香に関してはこんな軽い演技が出来るんだって印象
心の中には、深い闇を抱えているが、それを見せないようにカラ元気を演じている
女優ってすごいねー

琥珀が意味するもの

さて、題名の『琥珀』ですがこれは何を意味しているのだろうか??
色でいえば黄色または黄金色、これは年を重ねて白から徐々に経験を積み色を重ねて黄金色に近くなるという事だろうか?

パワーストーンの効果でいえば、
精神の安定
生の喜びを高める
自己肯定
ストレスで弱っている人の癒し
不快症状の軽減
円滑な人間関係
余計な力みを抜く

また、琥珀が出来あるまでには
「化学変化を起こし、その結果として生じた重合体」とWikipediaにはある
これは、3人が知り合ったことによる化学変化が起こったとの事だろう

最後は、蜃気楼の有名な街
これも琥珀色である
“夢か現か幻か”どのように感じるかは人それぞれである

鑑賞後は、心地よい余韻に包まれた
是非見てほしい作品です

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