『true tears』感想・評価

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金沢旅行をするにあたり、聖地巡礼の為みなおしました。
最近は石川・富山のアニメを見まくってます。
そんでもって今回みたのは、true tears です。

はじめに

物語の舞台は、富山県の城端(じょうはな)周辺をメインに物語は展開される。
アニメーション制作会社のP.A.WORKSの本社のお膝元で
富山市から南に車で1時間ほどの場所の位置だ。
物語上では、「麦端町」と表記される。

この作品をきっかけにP.A.WORKSファンになった人も多い作品だと思います。
当時は、リアルタイムではみていなくて、作品終了から1年後くらいにみた覚えがあります。

視聴は10年ぶりくらいかなと思います。

また、P.A.WORKS作品で俗にう青春アニメです。
ハーレム系アニメの分類です。
といっても、今のハーレムアニメとは違いひとりひとりの心情が細かく描かれています。
青春群像劇と言うべきですかね。
もちろんネタバレもあるのでご注意を!
最後まで付き合っていただければ幸いです。

作品紹介

「true tears 10周年記念Blu-ray Box」PV(9/26発売)

あらすじ

絵本作家を目指す高校生「仲上眞一郎」は、両親を亡くし仲上家に引き取られた幼馴染「湯浅比呂美」と、眞一郎の両親の4人で暮らしている。
同居しており幼馴染でもある眞一郎と比呂美だが会話は少なく、さらに眞一郎の母はとある理由から比呂美を嫌っており眞一郎と衝突することが多く、家庭内の関係は良好とは言えなかった。

そんなある日、眞一郎は学校の裏庭で木に登って降りられなくなっていた少女「石動乃絵」と出会う。彼女は過去に起こったある出来事が原因で涙を流せなくなったらしい。
乃絵は学校で飼われている鶏「雷轟丸」の世話をしていたが、タヌキに襲われて雷轟丸は死んでしまう。
その後乃絵は雷轟丸とどこか似たものを感じた眞一郎に接するようになる。

眞一郎と乃絵の出会いをきっかけに、比呂美をはじめ眞一郎の親友の「野伏三代吉」、眞一郎の年上の幼馴染の「安藤愛子」らの関係が少しずつ変わっていく。
彼らは様々なことに悩み、決断し、少しずつ成長していく。

この作品は高校生の悩みや葛藤、恋愛模様などを描いた物語である。

スタッフ・キャスト

【原作】La’cryma
【キャラクター原案】上田夢人
【監督】西村純二
【シリーズ構成】岡田麿里
【キャラクターデザイン】関口可奈味
【アニメーション制作】P.A.WORKS

仲上眞一郎:石井真
石動乃絵:高垣彩陽
湯浅比呂美:名塚佳織
安藤愛子:井口裕香
野伏三代吉:吉野裕行
石動純:増田裕生
黒部朋与:渡辺智美
眞一郎の父:藤原啓治

感想

P.A.WORKS初の元請作品です。
公式サイトの原作の項目に「La’cryma(ラクリマ)」と記載されております。
そもそもLa’crymaのtrue tearsとP.A.Worksのtrue tearsは同時に製作発表されており、アニメはゲームの方から「タイトルのみもらった」というのが最も的確だと思います。

当時のP.A.Worksはまだ元請作品を作ったことがなく、true tearsが元請デビュー作品です。
だから、仮に独自の企画を立ち上げても通りにくいという大人の事情もあったのかもしれません…
ですので、同タイトルのゲームとは内容が違います。
正確には原作というより原案と言った方が近いのかもしれない。

ハーレムものと言えなくもないんですが全くそのことを感じさせません。
主人公1人に対して3人のヒロインたち。

各話のサブタイトルは作中で、発した言葉がそのままサブタイトルとして使われているのも特徴の一つです。

話数 サブタイトル:セリフ元
1話 私…涙、あげちゃったから:石動乃絵
2話 私…何がしたいの…:湯浅比呂美
3話 どうなった? こないだの話:安藤愛子
4話 はい、ぱちぱちってして:石動乃絵
5話 おせっかいな男の子ってバカみたい:湯浅比呂美
6話 それ…なんの冗談?:仲上眞一郎
7話 ちゃんと言って、ここに書いて:石動乃絵
8話 雪が降っていない街:湯浅比呂美
9話 なかなか飛べないね…:石動乃絵
10話 全部ちゃんとするから:仲上眞一郎
11話 あなたが好きなのは私じゃない:湯浅比呂美
12話 何も見てない私の瞳から…:石動乃絵
13話 君の涙を:仲上眞一郎

ネタバレ

まず、主人公の眞一郎視点で話を追って行ってみましょう。

1話:「君の涙を僕は拭いたいと思う」と言ったり、比呂美にどう接すればいいか悩んでいる中、乃絵に出会う
3話:比呂美が純のことが好きだと言っているのを聞いてしまう
5話:純に交換条件(眞一郎が乃絵と付き合う代わりに純が比呂美と付き合うという条件)を提示してしまう
6話:比呂美が異母兄妹である可能性が浮上し、混乱する
7話:乃絵に告白し、はっきりとした恋愛感情を互いに確認し合う
8話:乃絵のおかげで絵本の続きを描けるようになる(キスされる)
9話:バイク事故がきっかけで、比呂美への恋愛感情を再確認する。
    乃絵もその瞬間を見てしまい、「あなたが飛ぶ所はここじゃない」と悟り、疎遠になっていく。
    一方、比呂美は、異母兄妹説が否定されたので、眞一郎の母との関係が改善する。
10話:「俺…全部ちゃんとするから」と比呂美に言う。ここで本作が比呂美ルートであることがはっきりする。
    (すべてを悟り、踊りの稽古場から黙って立ち去る乃絵が痛々しい)
11話:比呂美の家に通うようになる(キスされる)。
    しかし乃絵との関係を引きずっているので「俺、何もちゃんとしてないし」とも思う。
13話:乃絵に絵本のオチを見せ、「俺、比呂美が好きだ」と言うことで、彼女との関係にけじめをつける。
    一方で、「でも絵本が描けたのは乃絵がいたからだ」「お前を見てると心が震える」とも言う。

心情の変化としては、比呂美が前から好き→乃絵が好き→比呂美がやっぱり好き
話が進んでいく中で、揺れ動く心情は若くてかわいいと思ってしまう。
青春時代にありがちな、意地を張ったたり。
男の優柔不断さをよく表現している。

主要キャラがみんな恋愛をするんだけど、どのキャラも恋愛を通して成長するんですよ。
一つの恋がおわって気づいたり、違った考えになったりと
実際の恋愛が人を成長させるかっていうと疑問点は残るが、
お話としてはとても美しいと思うわけですね。

全編にわたり、比呂美の過去の「置いてかないで」は彼女のストーリー中核をなしてるようなところがあり、この頃から自分の心情とは真逆のことを言うようになったのかなとか思ったり…これがいい意味でトラウマとなり話を引っ張っていく。

雷轟丸が示すもの

大阪駅 – 金沢駅間を結ぶサンダーバードから来ているのか?
サンダーバード=雷轟丸

作中で示すものは、
地べた=飛ぼうとしない=変わろうとしない人
雷轟丸=飛ぼうとする=変わろうと努力する人
『雷轟丸とじべたの物語』でもある。

空を飛ぶ野心を持つ「雷轟丸」と、地べたを這って平然としている「じべた」。
乃絵は眞一郎を雷轟丸に見立てるが、当の眞一郎が自分を重ねているのは、じべたの方だ。
現実のじべたは、校庭の鶏小屋で飼われている、ごく普通のニワトリだ。空を翔ぶことはもちろん、狭い檻の中から逃げようともしない。
与えられた餌をただついばむだけだ。
しかし実は、「檻」の中に囚われているのは、眞一郎たちも同じだ。

「雷轟丸……なかなか飛べないね……」
「雷轟丸は薄々、感じているんだよ……10メートルの土手から飛べないこと……本当は10メートルの土手から飛んだってどこにもいけないこと」
「どうして……」
「雷轟丸は本当は最初から自分は飛べないって知ってるんだよ」
怖いから、気づかないふりをしている。

雷轟丸=飛ぼうとする=変わろうと努力する人
それぞれが、「雷轟丸」になろうとするのである。

作中終盤

11話において、いきなりシーンが変わり
親父が寝ている寝室に眞一郎が向かう
踊りたくなかったのは、うまく踊れなかったからではありません。父親と比べられたくなかったからです。
絵本が書けないのは、気分が乗らないからじゃありません。

自分の限界を知るのが怖かったから
生まれ変わるということ。新しい自分になるということを表している。

作中屈指の明言
「親父ってさ……どういうときに泣く?」
「心が震えたとき……かな」

「人は、本当に大切な人の涙を貰ってあげることができる。
乃絵、きっとお婆ちゃんはこう言いたかったんだ。
本当に大切な人を想うと、涙は勝手に溢れてくる。
その本当の涙を知ることができることは・・・」

これが”true tears”か。
この流れは秀逸。

最終話の乃絵の演出表現
自分自身が鶏小屋の中の「地べた」のような存在であると気がつけた、
過去をみとめ打破する決意。

そして、乃絵の表情はわからないまま時間が経過する。
“本当に大切な人を想うと、涙は勝手に溢れてくる。”
雪がとける前に石で好きだと表した文字は、雪解けともにバラバラに
失恋とともに涙を取り戻す…

true tearsの総合評価

私の個人的感想
<true tears>の評価になりますが、

3.5:他人に勧めます、鑑賞後にガッカリすることはない

私の視聴結果の基準を指標化
評価を数値化、指標化すること 面白さの指標化が出来るって良い事だなと常々思うんですけど、今まで特にそういう評価基準みたいなのを記事に設けて無くて、今更この素晴らしいシステムを導入するのもどうかとしばらく悩んでいたんですけど、あった方が絶対...

恋愛模様に関して内容、表現共に秀逸な作りです。
感情の移り変わり、恋する若者の余裕の無さ、そこから生まれる悲劇。

この作品は、
愛ちゃんは、早々に恋愛バトルから脱落したわけだが、
三代吉の心情や表情にも注目してほしいところ。

三角関係のお話というよりは、
見方によれば、眞一郎と比呂美の恋愛が成就されるために、
乃絵というキャラがいたという作り方かな。

乃絵は恐らく眞一郎と比呂美を
飛び立たせる為に存在していたとかんがえると妙にしっくり来てしまう。

作品の一番の見どころは、「間」の表現だと思います。
唇の描写など「間」の作り方によって、「想いを伝える事の難しさ」の表現の仕方うまい。

また、誰しも持つ「闇」の部分をうまく表現している。
闇というと言葉は悪いかもしれないが、トラウマだったり誰にも言えない事や縛られている事。
闇と鶏小屋の檻で縛られている心情を、しっかりと対比し描いた作品だと思います。

true tearsは、自分自身の青春時代とかの、甘酸っぱい想い出を思い出させてくれた、そんな作品でした。
アブラムシの歌が妙に耳に残る…

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